無線LANの活用事例を知ろう
無線LANは電波でデータをやりとりするため、ケーブルを敷設する必要がありません。 当たり前のようですが、これは大きなメリットで、ケーブル敷設に伴う配線工事が不要になり、コストや時間を軽減することができます。 もともとケーブルを敷設できないような場所でも、ネットワークを利用することで、さまざまな拡張が可能になります。 ここでは無線LANの導入によって可能になる活用例を中心に紹介します。
PC以外のさまざまな機器での利用が可能
ネットワークの利用といえば、はじめに思いつくのはPCです。 無線LAN化によって、オフィスのレイアウトも自由に変更できるようになり、社員が個々の机を持たないフリーアドレス化の導入も進んでいます。 またオフィスに欠かせないプリンターなどの機器も無線LAN化することで、台数の削減や設置コストの軽減効果が得られています。
しかし、こうしたPCを含むオフィス機器だけでなく、無線LAN導入によって、より幅広い活用が可能です。具体的な活用例を見てみましょう。
◯ スマートデバイス
スマートフォンやタブレットなどのスマートデバイスは、メモをとったり、スケジュールを確認したりと、多くのシーンで活用されています。 普及が進む中、スマートデバイスを快適に活用するために、無線LANが欠かせなくなります。 また、他にも飲食店などで使われる注文受付の端末、商品情報や在庫情報が確認できるタブレットといった、独自開発された専用スマートデバイスの機器も無線LANによって活用が広がっています。
◯ IP電話
インターネットで使われるパケット通信を利用したIP(Internet Protocol)電話は、通信料金の軽減を目的に広く使われるようになりました。 最近では有線の固定式IP電話から、無線式IP電話への導入が増え始めています。 無線になることで、会議で席を外すことが多いユーザーでもかけ直す手間が省け、また携帯電話を利用することで膨らむ通信コストも削減できます。
◯ 監視カメラ
防犯などのセキュリティー対策として有効な監視カメラ。 普段、人のいない場所に設置したり、広い範囲を撮影するために高所に設置したりすることが多いものです。 また、敷地内に多数設置するケースもあり、こうした機器の設置には無線LAN環境が整っていることが条件になります。 それぞれのカメラで撮影した映像は、オフィスで集中管理して閲覧・録画が可能です。
◯ 入退室管理システム
オフィスやビル、工場、倉庫などの入退室を管理するシステムも無線LAN環境があれば導入が容易になります。 特にケーブルを敷設しにくい場所にある倉庫は、無線LAN環境が必須でしょう。 入退室には、ICカードやタグリーダーで認証を行えるほか、入退室のログ管理も可能です。 監視カメラと組み合わせて、不正侵入を検知するなど、多彩な使い方ができるようになります。
◯ 産業用機器
すべてのモノとインターネットをつなげるというIoT(Internet of Things)や、機械と機械がネットワークでつながるM2M(Machine to Machine)など、人力を介さずに機器を制御、監視するシステムが注目されています。 産業用機器のセンサーと無線LANを連動することで、自動化やデータ管理が容易になります。 最近では工業だけでなく、農業や医療の分野など、あらゆる方面で活用が広がっています。
他にも会議室予約システムを導入したり、デジタルサイネージに活用したりと、無線LAN環境と組み合わせることで活用できるシーンはまだまだたくさんあります。 こうしたネットワークの運用と活用によって、事業の拡大や課題解決が進むケースも少なくありません。 「こんなことはできないかな」と思った時には、経験豊富なシステムベンダーに相談してみるのも方法の一つです。