ネットワーク対策だけでは不十分? Cisco Duoで始める認証・認可のゼロトラスト
IDを悪用したサイバー攻撃が増加する中、企業には認証だけでなく認可まで含めたアイデンティティ管理の強化が求められています。
本記事では、Cisco Duoを活用して既存環境を活かしながらIAMを段階的に導入する方法をご紹介します。
①ネットワーク対策だけでは、ゼロトラストは完成しない
ゼロトラストを実現するためには、「ネットワークのゼロトラスト」と「認証・認可のゼロトラスト」の両面から対策することが重要です。
近年、多くの企業では、VPNに依存したリモートアクセスを見直し、ZTNAによるアクセス制御やEDRによる端末保護など、不正アクセスのリスクを低減し、万が一侵入された場合でも被害を最小限に抑えるための対策が進められています。これらは、ネットワークのゼロトラストを実現するための代表的な取り組みです。
一方で、近年のサイバー攻撃は、正規のIDや認証情報を悪用するアイデンティティを狙った攻撃へと高度化しています。
そのため、「誰が」「どのデバイスから」「どのような条件で」アクセスするのかを継続的に確認・制御する、アイデンティティを起点としたセキュリティ対策も欠かせません。
※アイデンティティを狙った攻撃については、「Qilinランサムウェア」に関するコラムで詳しく解説しています。
認証・認可のゼロトラストを支える基盤となるのが、IAM(Identity and Access Management)です。
IAMは、認証だけでなく、ユーザー管理や権限管理まで含めてIDを統合的に管理し、適切なアクセス制御を実現します。
ゼロトラストは、ネットワークだけでも、認証・認可だけでも実現できません。
両方を組み合わせることで、より実効性の高いゼロトラストを実現できます。

②「認証・認可のゼロトラスト」を実現するCisco Duo
Active Directoryや各種SaaSなど、複数の認証基盤・アカウント管理が混在する環境では、「どこから整備すべきか」の判断が難しくなります。
そこで、既存環境を活かしながら認証強化を先行できるソリューションとして、Cisco Duoが注目されています。
Cisco Duoは、多要素認証(MFA)に加え、IAMやITDR(Identity Threat Detection and Response)を提供するIDセキュリティプラットフォームです。
※Cisco Duo IAM機能詳細についてはこちら
大きな特長は、既存のActive Directoryや各種認証システムと連携できることです。
そのため、大規模なシステム変更を行うことなく、現在の環境を活かした導入が可能です。
また、管理者アカウントやVPN利用者など、優先度の高いユーザーから導入を開始できるため、ゼロトラストへの第一歩として無理なく導入を進められます。
さらに、MFAによる認証強化からIAM、ITDRへと段階的に機能を拡張できるため、IDを中心とした包括的なアクセス制御へ無理なく発展させることができます。
このように、既存環境を活かしながら段階的にIAMを導入・拡張できることが、Cisco DuoがゼロトラストにおけるID管理基盤として適している理由です。

③より実効性の高いゼロトラストを実現するためのネットワーク対策
Cisco Duoによってアイデンティティセキュリティを強化することで、IDを狙った攻撃への耐性向上が期待できます。
一方で、より実効性の高いゼロトラストを実現するためには、認証・認可だけでなく、ネットワークまで含めて一貫したアクセス制御を行うことが重要です。
近年、多くの企業ではVPNからZTNAへの移行やEDRの導入など、ネットワークのゼロトラストを進めています。
しかし、製品ごとに異なるポリシーを設定・運用しているケースも多く、認証・認可とネットワークが連携していないことで、十分な効果を発揮できていない場合があります。
そこで有効となるのが、Cisco Secure Accessです。
Cisco Secure Accessは、ZTNA(Zero Trust Network Access)やSecure Web Gateway(SWG)、CASBなどの機能により、ネットワークのゼロトラストを実現するSASEソリューションです。
Cisco DuoとCisco Secure Accessを組み合わせることで、それぞれの強みを活かした包括的なアクセス制御が可能になります。
・Cisco Duo:ユーザーやデバイスの認証・認可を担う
・Cisco Secure Access:アクセス先や通信経路を保護する
というように、それぞれの役割を補完し合いながら、IDとネットワークの両面からアクセスを保護できます。
その結果、認証からネットワークアクセスまでを一貫したポリシーで制御できるため、より実効性の高いゼロトラスト環境を実現できます。

④まとめ:「ネットワークのゼロトラスト」と「認証・認可のゼロトラスト」の両面対策
Cisco DuoとCisco Secure Accessを組み合わせることで、本記事でご紹介した「ネットワークのゼロトラスト」と「認証・認可のゼロトラスト」の両面から対策を進めることができます。
近年、サイバー攻撃はネットワークだけでなく、IDや認証情報を狙う手法へと高度化しています。
そのため、実効性の高いゼロトラストを実現するには、ネットワーク対策に加え、認証・認可のゼロトラストにも取り組むことが重要です。
部分的なセキュリティ強化から包括的なゼロトラスト環境の実現まで、お客様の現状環境や課題に応じたご提案が可能です。ぜひお気軽にご相談ください。






