コラム

EOL攻略ガイド(2):効果的なリプレイスの進め方と実施タイミング

~リプレイスに向けて検討すべきポイントとリプレイスの進め方~

EOL攻略ガイドの第2弾では、第1弾でも触れたリプレイス成功のカギとなる重要なポイントと最適なリプレイス時期の判断基準についてご紹介します。

リプレイスの必要性やEOL後の継続利用に潜むリスクについては、EOL攻略ガイド第1弾をご覧ください。

▶▶EOL攻略ガイド(1):EOLがもたらすリスクと最適な移行時期は?

 

リプレイス準備の極意:4つの重要ポイントをおさえて失敗を防ぐ

第1弾にも記載したように、EOLが近い製品についてはすみやかに後継機種へのリプレイスを検討する必要があります。しかし、EOLに伴う機器のリプレイスは頻繁にあるものではないため、何から検討したらいいかわからないという方も多いと思います。ここでは、リプレイスを成功させるために検討すべきポイントをご紹介します。

ポイント1:将来にわたる業務ニーズの見極め

単にEOLを迎える機器と同等のスペックで置き換えるだけでは、近い将来、性能不足に陥る可能性があります。そのため、ビジネスの成長やリモートワークの普及に伴うトラフィック増加やクラウドサービス利用の拡大、IoTデバイスの接続増加といったことを見越して、ポート数やスループットに余裕のある機器を選ぶ必要があります。

ポイント2:最新のネットワークセキュリティ機能の確認

ネットワーク機器は、企業全体のセキュリティを支える重要な存在です。近年では、次世代ファイアウォール(NGFW)やゼロトラストセキュリティへの対応が求められています。これらは高度化したサイバー攻撃に対応するため、ネットワークの堅牢性を高める上で欠かせない技術です。

また、SD-WANやセキュリティ機能を統合したSASE(Secure Access Service Edge)ソリューションを採用することでネットワークとセキュリティを効率的に運用でき、運用負担を軽減しながら、ネットワークの可用性とセキュリティを両立することが可能です。

さらに、自動化された脅威検知機能や不正アクセス遮断機能を備えた機器も注目すべきポイントです。これらの機能があることで、サイバー攻撃をリアルタイムに検出・対応し、ネットワークのセキュリティを保ちながら、管理業務の効率化を図ることができます。

リプレイス時には、これらの技術が自社の業務やセキュリティ要件に合致しているか、事前に確認することが重要となります。

ポイント3:サポートとアップデート提供期間の確認

ネットワーク機器がEOLを迎えた場合、ファームウェアやセキュリティパッチが提供されなくなり、脆弱性を抱えたまま使用することになります。新しい機器を選ぶ際には、メーカーがどのくらいの期間サポートを提供するのか、OSのアップデートポリシーを明確に確認しましょう。

サポート期間が長く設定されているモデルや、クラウドでの更新が容易な製品を選ぶと、長期的な運用が可能です。

ポイント4:運用コストの見直し

リプレイスは運用コストを見直すチャンスでもあります。Cisco Merakiのようなクラウドベースの管理機能を備えた製品を導入すれば、オンプレミスでの管理工数を大幅に削減できます。さらに、トラブルにも迅速に対応できるようになるため、障害時の復旧コストも抑えられます。

 

 

タイミングを見極める:適切なリプレイス時期の判断基準

先述のポイントに加えて、いつリプレイスを実施するか計画することも機器リプレイスを進める上で重要なポイントになります。

●早めの準備: 実施までのスケジュールを確保

EOLが直前に迫った段階での機器のリプレイスは、業務現場にも混乱を起こすおそれがあるため、6ヵ月~1年前にリプレイスを実施するのが理想的です。余裕をもって準備し、移行作業を進めることで、無用なトラブルを回避し、既存のITシステムやネットワークに及ぼす影響を最小限に抑えることができます。

●戦略的な選択: 自社の業務計画に合ったタイミングを見つける

リプレイスの実施時期については、年度末や予算編成時期に合わせるのもおすすめです。予算確保や社内調整がしやすいタイミングでの計画を立てることで、事業部門をはじめとするステークホルダーの合意や協力も得やすくなり、円滑な移行計画を実現できます。

 

 

確実に進める:リプレイス成功の4ステップ

ここまでのポイントを踏まえた上で、機器リプレイスのステップをあらためて整理しておきます。

●ステップ1:現状評価とニーズの確認

現行機器のパフォーマンスや運用状況を分析し、リプレイスによって解決すべき課題や将来にわたる業務ニーズを明確にします。

●ステップ2:リプレイス計画の策定

現行機器がEOLを迎える6ヵ月~1年前を基本とするリプレイスのスケジュールを策定し、必要な予算や人員の確保を計画に反映します。

●ステップ3:ベンダーとの交渉と選定

7~8年の長期利用に耐える処理能力やセキュリティ機能などの要件を満たした機器を選定します。複数の商流が存在しているケースも多いため、価格交渉やサポート内容の確認を通じて最適なベンダーを選定します。

●ステップ4:移行テストと本番テスト

新しい機器の導入テストを行い、本番移行の準備に備えます。自社内だけでこの作業を行うと確認事項の抜け漏れが起こる可能性があるため、豊富な経験をもつベンダーと連携しながらPoC(Proof of Concept)やテストを実施することが、移行リスクの低減につながります。

 

まとめ

リプレイスは運用コストを見直すチャンスでもあります。新たな機器が備えている処理能力や機能などの価値を最大限に引き出すためにも、検討すべきポイントと実施時期をしっかりおさえた計画を策定し、移行時期を見極めて計画することが効果的なリプレイスを行う上で重要となります。

EOL攻略ガイドの第3弾では、2025年10月末にEOLとなる企業のL3 スイッチで主流の Cisco Catalyst3850 のお得な早割プランについてご紹介します。
リプレイスをご検討中の方はぜひご覧ください。

NTTデータ ルウィーブではお客様の環境や要望にあったネットワーク機器、ソリューションをご提案いたします。どの機器とリプレイスしたらいいかわからない、リプレイスにかかる費用を知りたいなど、まもなくEOLを迎える機器のリプレイスをご検討中の方はお気軽にお問合せください。

 

 

 

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